韓国語レビュー [Korean Review]
宮下奈都は《羊と鋼の森》を通して知った作家である。この本が本屋大賞の候補に上がったとき、本は購入しておいたが、未だに読んでなかった。その中で、この本を発見して先に読んでみるようになった。まずは内容がそこまで重い感じではなかったし、またこの作家の色が少しは分かるようになるんじゃないかなという感覚で先に読んでみるようになった。そしてその目的はある程度成功だったとも言える。ある意味でストーリーが結構単純で学院ドラマのような物語かもしれなが、すごく暖かい作品だと感じた。この部分がまさに私が持つようになった宮下奈都という作家のイメージだった。
またこの作家の作品をたくさん読んでないのでよくわからないが、もう一つの特徴といえば...この作品も、そして《羊と鋼の森》も「音楽」に関する物語というところだ。この作家は主に音楽を素材とする作品を書くのかな?そうじゃないと、偶然私が接した作品がすべて音楽を素材としている者だったのか?まだ詳しく調べてみてないからわからないが、音楽に対してかなりの関心を持っている作家だと思った。そしてその「音楽」を通して状況や物語を語っていく点がすごく印象的だった。
確実にこの作品は《蜜蜂と遠雷》のようにスペクタクルだったり、本の中に完全に入り込ませる部分はない。それより全然穏やかで、わざわざ区分してしてみると、おそらく音楽という媒介を通したいろんな思惟を静かに聞かせてくれる感じだと思う。だからか分からないが、普段エッセイが好きな人なら、あるいはその作家の考え方や世界観を深く共有することが好きなら、十分楽しく読める作品だと思う。
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