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Books/レビュー

チョ・ナムジュ 『彼女の名前は』

| Mashimaro | 2020. 9. 15. 01:01



韓国語レビュー [Korean Review]

조남주 『그녀 이름은』



チョ・ナムジュ作家の作品をもう一回読んだ。今回の作品もまた話者が女性だけど、《82年生まれ、キム・ジヨン》のように一つの長編諸説ではなく、今回の作品は小説集だった。短編小説とするにもより短い感じの短いエピソードの羅列にように見える小説集だが、本の前に書いてある作家の言葉を読んでみると、この本が多くの女性たちをインタビューして書いた者であることがわかる。実は、最初この本の紹介を見たっとき、最初の作品に関するストーリーが紹介されていたし、話者も女性だったので、この作家は完全にフェミニズム作家として方向性を決めたんだな...と思った。そして、最初の作品から職場内でのセクハラに関する素材だったので、私も心の準備をしっかりとして読み始めた。


しかし、今回の作品集は、より包括的なスケールの話をしていた。セクハラ、暴力、あるいは性差別に関する話題に集中している作品というより、この社会の中で生きていく多様な女性の姿を見せてくれた。私がこれこれで大変だった...あるいは私はこれであまりにも耐えられない...これは変わらないと...という風の物語ではなく、老若男女、あるいは様々な状況に置かれている女性たちの姿そのままを描いたような感じだった。文字通りすべての「彼女たち」の物語だと言える。読み終わった瞬間、この作品集のタイトルが納得できた。


実は《82年生まれ、キム・ジヨン》を読んでから、同じ本を読んだ多数の男性たちとかなりのギャップを感じた経験がある。しかし、この作品集もそうだろうか?もちろんそうなのかも知れないが、少なくとも作家はこれが正しい、あれが正しい、という話は全くしない。まるで結論なしで各エピソードを淡々とただ「叙述」している感じが強い。だからこそ、考えと判断などは私たちの分け前になる。特に今回の作品集では、ほとんどの人が知りそうな社会問題や事件を直接取り上げたが、もしかしたら、むしろこのようなところであれこれいう人もいるだろうと思った。でも私は個人的に良かった。以前に読んだ《ショウコの微笑》よりももっと直接的に取り入れている感じがした。


以前の作品でも感じたが、チョ・ナムジュ作家はとても現実的な作家のようだ。小説の中に現実をうまく反映している。さらに今回の作品はインタビューを基盤に書いたので、その傾向がもっと強かったかも知れない。その分本当に恐れなく、強い心を持っている作家ではないかと思う。もしかしたらチョ・ナムジュ作家は次の作品でも「彼女たち」の話を書くんじゃないかなと思う。




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